デグチエステートの佐藤です。
約１５年前に郊外の２０００万円位の住宅を買っていただいた時の話です。
お客様のＳ様は当時４０歳。お婿さんでしたので、奥さんの御両親と同居していました。
家を買う理由は舅さん（奥さんの父親）と一緒に暮らすのがイヤだからです。
また奥さんとも仲が良くないらしく、一人で住むという事でした。
（中学生の娘さんもいた）
契約話が順調に進み、なぜか個人的にもＳ様と仲良くなり、先輩・後輩のよう
な関係になりました。
私の事も佐藤と呼ぶ様になりました。
しかし契約直前になり「佐藤、悪いね、契約できなくなってしまったよ。」と言わ
れ、舅さんと仲直りできたのなら仕方がないと、私もあきらめました。
それから１ケ月位経ってから、Ｓ様から私に突然電話がかかってきました。
「今日これからあの家を契約したいから準備してくれ。」と言われました。
３時間後に契約を済ませ、契約手付金は翌日に銀行口座に振込んでもらいま
した。
どうやら、また舅さんとケンカをして、勢いで契約してくれたみたいでした。
喜んでいいのかどうかわかりませんが、実は契約できて少しうれしかったのを
覚えています。
家に住む時に２階のベランダが余分に欲しいという事で、追加工事もいただき
ました。
Ｓ様が「実は俺は、花の栽培が趣味で高価な花が多いから、盗まれないよう
に２階にベランダが広く欲しいんだ。」と言いました。
それを聞いて私は抑えたつもりでしたが、一瞬笑ってしまいました。
私の顔をみて「佐藤、今笑っただろう。」と突っ込んできました。
この辺はある意味お約束でしょう。
Ｓ様はやさしい人なのですが、顔が少し怖いのです。
引っ越した後、その花を色々と見せてもらい説明も受けたのですが、どうして
この花々がそんなに高価なのか、普通の花との差がどうしても私には理解で
きませんでした。
その時Ｓ様が「昨日かみさんが家を見に来て、今日は娘が泊まっていくんだ」
と言っていましたから、家族関係は修復できたのでしょう。
しかし舅さんとの関係は相変わらずのようでした。